CLASS F4H - R/C STAND-OFF SCALE MODEL AIRCRAFT
2021年1月1日発効
6.9.1. 一般規格:
モデル機の一般規格はF4Cと同じ(6.3 参照)
6.9.2. 参加資格
過去6年間において、世界選手権大会、大陸選手権大会のF4C部門において、上位5位以内となったモデル
機は、再塗装、改修を施したものを含めてF4H大会には参加出来ない。
参加選手が自身のモデル機の製作者であることを要求する規定 (6.1.9.4.e)は、スタンドオフ・スケールに
ついては適用されない。
6.9.3. 選手宣誓書:
参加選手は、選手宣誓書書式(附属書 6E.1.2) に記入し、署名しなければならない。
選手宣誓書には、静止審査員が参加選手のスケール精度達成に寄与した程度を評価するための質問が含まれる。
宣誓書に虚偽があれば、参加選手は競技から失格となる。
参加選手は、宣誓書に記載された事実を証明するために、写真や材料の見本を提示することが出来る。
注意:宣誓書にはこれを有効なものとする参加選手のNACによる裏書署名が無ければならない。
(訳者注)NACとは各国の模型航空連盟に当たる組織。「National Airsport Controls」の訳
6.9.4. 静止審査:
a)静止審査員の指名は6.1.4 で規定されている。最終静止得点は、各審査員の採点の合計である。
b) 全ての静止審査は5m離れた距離から行われる。この距離はモデル機の中心から審査員席までの間を計測
する。
c)以下の各項目について、各審査員は1/10を使用して10点までの得点を採点する。
6.9.4.1. スケール精度:
この項目は、モデル機のアウトラインを主題実機(プロトタイプ機)のそれと3つの面(側面、正面、上から
の平面)から比較し、その正確さを、提示された提出資料(ドキュメンテーション)との照合により評価する。
6.9.4.2. モデル機の独創性:
この項目は、参加選手の努力によって達成されたスケール精度に対する評価である。
参加選手により全て製作、被覆、塗装されたモデル機(自設計、市販設計図、市販の従来型キット)には最大
点が与えられる。選手が被覆と塗装のみを行ったモデル機は若干の減点がなされる。
ARFモデル機は(参加選手による大幅な改造の証明が行われなければ)0点に近く評価される。
6.9.4.3. 色彩の精度と複雑度:
この項目は、色の塗り分けとマーキングにおける色彩の正確さを提示されたドキュメンテーションとの比較に
よって評価する。
色彩の複雑度は、使われている色彩の数、色彩の配分、色と色との境界によって評価する。
6.9.4.4. マーキングの精度と複雑度:
マーキングの精度は、マーキングの位置、方位および大きさ(迷彩を含む)をドキュメンテーションとの比較
で評価する。
マーキングの複雑度は、マーキングの数、広がりおよびモデル機全体における散らばり方によって評価する。
6.9.4.5. 実機感:
この項目はモデル機が、ドキュメンテーションに表れているプロトタイプ機の特徴を、5m離れて識別できる
表面仕上げ、ウェザリングおよび種々の細部において、いかに良く捉えているかの主観的な評価である。
6.9.5. 静止審査 係数(Kファクター):
項目 Kファクター
スケール精度:
上からの平面形 K= 7
側面形 K= 7
正面形 K= 7
色彩:
精度 K= 4
複雑度 K= 2
マーキング:
精度 K= 7
複雑度 K= 3
実機感 K= 7
モデル機の設計と構造の独創性: K= 6
合計: K=50
◎静止得点と飛行得点の比重の平準化(ノーマライゼーション)
参加選手の静止得点の合計は、次のとおり500点で平準化(ノーマライズ)される。
静止得点x = Sx / Sw × 500
ここにおいて:
静止得点x = 参加選手xの平準化(ノーマライズ)された静止得点
Sx = 参加選手xの静止得点
Sw = 静止審査における最高得点者の得点
6.9.6. 提出資料(ドキュメンテーション):
a) ドキュメンテーションの要求は、3方面からのアウトライン、色彩、マーキングおよび実機感をすべて評
価するに必要最小限とする。
全てのスケール機の静止審査と同じく、スケール精度の判定には良質の写真が第一の手段となる。
写真や印刷による写真複製は、適切なサイズ(概ねA5判が最小)を別個のシートにしても良いし、また
A2サイズ以下のシートにいくつかの写真をまとめても良い。
ページに付箋を付けた本のように綴じたものは受理されない。
b) 欠如したり不適当なドキュメンテーションに対する罰則は無いが、審査員は利用可能なドキュメンテーシ
ョンに基づいてのみ得点を与える事ができる。
不完全なドキュメンテーションは静止審査のどの項目においても減点をもたらし、ドキュメンテーション
が無い場合にはその項目については0点となる。
6.9.6.1 証明写真:
プロトタイプ機の写真、または印刷の写真複製を最少1枚、最大5枚提出しなければならない。それら写真の
うち、少なくとも1枚はモデル機製作の対象としたプロトタイプ機そのものの写真でなければならない。また、
少なくとも1枚は機体全体が写っていなければならない。
模型の写真は、その模型がプロトタイプ機と並べられていて、かつその写真が色彩を立証するためのものであ
る場合にのみ許される。
写真にデジタル加工処理が行われた証拠が認められる場合には失格となる。
近接写真や細部写真は要求されないが、3面形のアウトラインの立証に必要であれば、更なる写真(5枚以内)
を使用してよい。
6.9.6.2 提出図面:
3面形図面は必要であり、審査員がアウトラインの審査をする拠り所として使用される。
図面は、6.1.9.4(b)項の要件に適合していなければならない。
選択されたプロトタイプ機と図面の間に相違があった場合には、証明写真が優先する。
6.9.6.3 色彩とマーキングの証明:
この項目は、カラ―チップ、オリジナルの塗料見本、カラ―写真(3面形審査のために提出した写真と同じで
もよい)、出版された本、雑誌またはキットの箱絵等のカラーイラストが使用できる。
同様な色彩が施された他の機体の例を添えた出版物も認められる。
色彩証明のためのカラーチップについては実物証明までは要求されない。
6.9.7. 飛行スケジュール:
飛行スケジュールはF4Cと同じ(6.3 参照)
◎静止得点と飛行得点の比重の平準化(ノーマライゼーション)
参加選手の各ラウンドにおける飛行得点の合計は、次のとおり1000点で平準化(ノーマライズ)される。
飛行得点x = Fx /Fw × 1000
ここにおいて:
飛行得点x = 参加選手xの平準化(ノーマライズ)された飛行得点
Fx = 参加選手xの飛行得点
Fw = そのラウンドにおける最高得点者の飛行得点
6.9.8. 最終成績:
各参加選手の最終成績は、6.9.5.の静止審査で得られた静止得点を平準化した得点に、6.9.7.の飛行審査で得
られた飛行得点のうち、最も良かった2つの飛行得点を平準化した得点の平均値を加算したものとする。参加選
手の飛行が一回だけで終わった場合には、その飛行で与えられた飛行得点を平準化した得点を2で割ったものと
する。
主催者側の手の及ばない不可抗力な理由(例えばB.11.1.)によって3回以下の公式飛行しかできなかった場
合には、成績は次のように決定する。
a) 2ラウンドの飛行が行われた場合、6.3.9.のとおり、その2回の飛行得点をそれぞれ平準化した得点の平
均値が用いられる。
b)1ラウンドのみの飛行の場合、その1ラウンドの飛行得点の平準化した得点が用いられる。
c) 公式飛行における得点は、全ての参加選手が、その飛行ラウンドにおいて同等の機会を与えられた場合に
限り記録される。
世界選手権大会および大陸選手権大会における国チームの順位は、選手権が完結した後、各チームのメンバー
3人の最終成績の合計点によって争われるが、チームに4人目のメンバーがいる場合(4人目は必ずジュニア・
メンバー)には、上位3人の最終成績の合計点によることとなる。
同点の国チームがある場合、トップから数えた順位数の合計がより少ない数となるチームが上位となる。
もし、その順位数も同点となる場合は、最高点の個人がメンバーとしているチームが上位となる。
発効 2021年 1月
F4C規定委員 松本 行晴
戻る ホームへ戻る ページトップへ戻る
付則 6F
F4H−静止審査の要領
6F.1 一般:
a) 他のスケールクラスと同じく、個々のモデル機の審査を開始する前に、各モデル機の相互関係で外観的に
等級づけをするため、全ての参加モデル機を観察しなければならない。
b) この初期評価で重要なことは、すべての審査が5m離れて行われるために、審査員は接近してモデル機を
観察してはならない。F4Hにおける提出書類(ドキュメンテーション)への要求は、審査項目について公
正な審査を行うに必要と見なされる最小限のものに減らされている。
審査員は、ドキュメンテーションに無いいかなる部分の検討に時間を浪費しない事が重要。
c)ドキュメント不備に対する減点は、付則 6Aの6A.1.9 の規定が適用される。
d)目安として各モデルに対する十分な審査に必要な時間は約15分と考えられる。
e) すべてのモデル機が個々に審査が終了した時点で、審査員団は、採点のばらつきについて、特に複雑度の
得点につき、すべてのモデル機の見直しを行う。審査員団はその結果公正でないと判断されるときは遡って
得点を訂正する権利を有している。
あるモデル機の他のモデル機との比較における相対的な得点付が重要であり、チーフジャッジはこの事が
実施されたと確認したときにはじめて採点表は公表されるべきである。
6F.2 スケール精度(アウトライン):
全ての静止審査においては、写真がスケール精度の判定における最重要な手段となる。
(付則 6Aの6A.1.10.1はスケール精度への更なる指針となる。)
6F.3 モデル機設計と構造の独創性:
a) 審査員は、参加選手から提示された宣誓書およびその立証資料を調べ、必要に応じ、参加選手がスケール
精度(アウトライン)を高めるために行った努力の程度を確認するための質問をしなければならない。
参加選手による完全な自作機モデルにのみ、最大得点の10点が与えられる。得点は、参加選手がモデル
機製作に尽力した度合いに応じて減点される。
b)以下の記述がガイドとなる
1.参加選手が自作し(自設計、市販設計図、キットのどれでも良い。)被覆、塗装を行った場合 10点
2.製作済みの機体に被覆および塗装を行った場合 8点
3.合成樹脂モールド完成機に塗装を行った場合 6点
4.AFRの機体に新たにマーキングを行った場合 4点
5.改修なしのARFキットの場合 2点
6.モデルに何も手を加えなかった場合(塗装済み完成機) 0点
注:宣誓書の記載に応じ、参加選手が製作したり、改造した部分については、静止審査員の判断により上
記の中間的な得点が与えられる。
6F.4 色彩とマーキングの精度:
a) 色彩の精度は提示されたドキュメンテーションとモデルの比較により決められる。審査中の周囲の光線状
態(例えば光と陰)は、ドキュメンテーションのそれとは異なる場合もあり、そのような場合にはその違い
に応じた配慮が必要となる。迷彩色の色分けは、正しいパターンおよび適切な色の境界のぼかし具合になっ
ていることが必要である。
(付則 6Aの6A.1.10.2は色彩の審査への更なる指針となる。)
b) 色彩と、全てのマーキング、国籍マーク、数字と文字の色、位置および大きさを審査する。審査員はマー
キングが左右で同じであると推定すべきではなく、全てのマーキングがドキュメンテーションによって確か
められた場合にのみ高い得点を与えるべきである。
(付則 6Aの6A.1.10.3 はマーキング審査への更なる指針となる。)
6F.5 色彩とマーキングの複雑度:
a) プロトタイプ機の色彩とマーキングの再現のために払われた努力を考慮すべきである。色彩とマーキング
の複雑度は、色彩の数や、マーキングの多さや大きさに止まらず、それらがモデル機上にどのように分配さ
れているか、例えば色彩間の境目の複雑度、その境目が平らな面にあるのか曲面にあるのか、さらに羽布上
にあるのか、固い面にあるのかを調べる必要がある。
b) 与えられる得点は、他の参加モデル機の得点との公平な比較において決める事が重要である。
(付則 6Aの6A.1.10.2および6A.1.10.3は、色彩とマーキングの複雑度審査への更なる指針となる。)
6F.6 実機感:
審査員はモデル機がそのドキュメンテーション写真に写っているプロトタイプ機の特徴をどの程度よく捉えて
いるか考慮しなければならない。
プロトタイプ機が完成直後もしくは無傷の博物館モデルであれば、モデル機も同様に手付かずの新品状態でな
ければならない。反対に、プロトタイプ機の写真が使い込まれた汚れた表面と、経年変化した塗装状態であれば、
それはモデル機に反映されていなければならない。
審査員は、5mの距離からは明瞭に視認できない細部の欠落を、減点しないように注意しなければならない。
発効 2021年 1月
F4C規定委員 松本 行晴
附属書 6E.1.2
|