ブリストル・ボーファイター
大口径キャノン装備のウエストランド・ワールウインド双発戦闘機の開発遅延に起因してブリス
トル・ボーフォート爆撃機から戦闘機の開発が行われることとなり、ブリストル社は生産途中の
ボーフォート機から試作機を製作開始した。
試作機はボーフォートの設計と部品を使用して計画開始後8ヶ月足らずで、1939年の7月1
7日に飛行し、試作機が飛行する2週間前に300機の発注がなされた。
ボーフォートとボーファイターの違いはわずかで、爆弾倉は外され、胴体下面に4基の20mm
イスパノキャノン砲と主翼に6丁の7.7mmブローニング機銃が装備され、機首の爆撃手席と
後部銃手席とは取り外され、替わって胴体後部にはレーダー手兼航法士席が設けられた。
エンジンはより強力なブリストル・ハーキュリーズに変えられ、重心の移動に伴って機首が短く
なり、ボーファイターの特徴ある形を形成している。
生産が1945年の9月に終了した時、5.564機のボーファイターがブリストル社、フェア
リー社その他で生産された。
7トンの重量と最大速度540Kmは、戦闘機の常識としては重く、低速だったが、機首に4基
のキャノンとAI空対空レーダーを容易に装備できるため、航空機搭載レーダー出現の時期とも
相まって、夜間戦闘機としては格好の機体となった。
1942年には夜間戦闘機型のMkYFがAI[型レーダーを装備して配置され、ドイツ空軍の
夜間爆撃に対し、1943年の夏にモスキートがボーファイターに代わって主たる夜間戦闘機と
なるまでその威力を発揮し、頑丈で信頼性の高い機体は乗員の評判も高かった。
ボーファイターは対艦船攻撃にも活躍し、120機と241名の乗員と引き換えに、1942年
―1945年にかけて全攻撃隊によって沈められた敵船舶の半数に当たる15万トン、117隻
の艦船を沈めたと云われる。
余談だが、ボーファイターの名前はブリストル社のボーフォート爆撃機と戦闘機(ファイター)
に由来しており、フランス語のBeau(ボ:美しい)とは関係が無い。
諸元一般
乗員 2名
全長 12.6m
翼幅 17.65m
最大離陸重量 11.521Kg
エンジン ブリストル・ハーキュリーズ 空冷星型
14気筒 1600馬力
性能 最大速度 515Km
航続距離 2.816Km
武装 ヒスパノ20mmキャノン × 4
ブローニング7.7mm機銃 × 6
RP−3 60ポンド ロケット × 8
または
450Kg爆弾 × 2
18インチ魚雷 × 1(沿岸警備隊)
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