ヤコヴレフ・YAK−3


  ヤコヴレフYAK-3
 ヤコヴレフYAK-3の起源は1941年にYAK-1の代替として提案された、I−29とI−
30と呼ばれた試作機にさかのぼる。 
しかしながら当初のヤコヴレフYAK-3を生産に移す計画は、航空機用のアルミニュームの欠乏
とナチス・ドイツの侵攻により1941年の秋に作業は中断された。
1943年になって、ヤコヴレフはYAK-1より小さく、軽いYAK-1Mを設計した。
YAK-1M試作機は後方胴体を合板張りとし、柱の無いラジオアンテナ、反射式照準器、改善され
た装甲板、およびエンジン冷却方式を採用していた。主席テストパイロットのミハイロビッチ・ス
テファノスキーはこの機体の高性能に興味を示し、YAK-1とYAK-7の代替として推薦し、ヤ
コヴレフYAK-9の生産のみを残して生産が決定された。
この新型機はYAK-9よりもあとに生産されたが、より若い番号のヤコヴレフYAK-3となり、
1944年に実戦に投入され、総生産数は4.848機に達した。
YAK-9よりも軽く小さいが、同じエンジンを装備したYAK-3は大変身軽な空戦能力を持ち、
ドイツ空軍の戦闘機に対しては5.000m以下では明らかに勝っており、横転性能ではフォッケ
ウルフ190に追従でき、旋回半径はより小さく、一周に18.6秒しか掛からなかった。
航続距離の短さと、高い荷重が掛かったときに接着した主翼の上面の合板がはがれることが欠点で、
全てのヤコヴレフ戦闘機に共通の、圧縮空気により作動する着陸脚、フラップ、ブレーキは、油圧
や電動式に比較して多少信頼性が薄かったが、重量の軽減には多大に貢献していた。
1991年来、多くのヤコヴレフYAK-3sが大戦機保存者達のために、アリソンV-1710エ
ンジンを装備し、原型の図面と製作型を使用して、ヤコヴレフ社によりYAK-3として製作された。
何機かのそれらの機体はヤコヴレフYAK-11練習機からヤコヴレフYAK-3の形態に変換された
機体と共に、未だにアメリカ、ドイツ、オーストラリアで飛行している。
 写真の機体はフランス、パリのル・ブルジェー航空博物館に展示されている機体。

                 諸元一般
                      全長    8.5m
                      翼幅    9.2m
                      全備重量  2.692kg
              エンジン  クリモフ VK-105 液冷V型12気筒 
                               1.290馬力
                      武装    Sh−VAK 20mmモーターキャノン×1
                                  12.7mm機銃×2 


      
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