フェアチャイルドPT−19
フェアチャイルドPT−19はアメリカの初歩練習機で、第二次大戦中にアメリカ陸軍航空隊、
イギリス空軍、カナダ空軍で使用された。
PT−19は、アメリカ陸軍航空隊が大戦を控えて計画した航空隊拡張計画に従い、フェアチ
ャイルドM−62から開発され、他の17機の競作に打ち勝った機体で、1939年5月15
日に初飛行し、新しい陸軍の練習機として1940年に就役し、総生産数は各型あわせ6.3
97機にたっした。
構造は片持ち式単葉主翼、固定脚、2席前後式開放コックピットといったシンプルだが頑丈で、
鋼管溶接、羽布張りの胴体を持ち、主翼、尾翼は合板張りだった。
初期生産型の275機は空冷直列式の175馬力のレンジャー・L−440−1エンジンを装
備してPT−19となった。
1941年には3181機の大量生産が開始され、PT−19Aはフェアチャイルド製の20
0馬力のL−440−3を装備し、計器飛行の練習用に後席に覆いを装備した。
その後エンジンの不足に直面し、PT−19の機体にコンチネンタルR−670空冷星型エン
ジンを装備したPT−23が製作され、計器飛行仕様のPT−23Aを含め総計1115機が
製作された。
フェアチャイルドPT−19は、安価で、維持が容易で、いわゆるクセの無い機体だったため、
「ヒーロー達の揺り篭」と呼ばれた。現在でも100機ほどが飛行可能状態にある。
写真はオハイオ州、デイトンのアメリカ空軍博物館に展示されているPT−19A。
諸元一般
乗員 2名(訓練生、教官)
全長 8.53m
全幅 10.97m
全備重量 1.154Kg
エンジン フェアチャイルド レンジャー
L−440−3 200馬力
性能 最大速度 212Km
航続距離 692Km
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