メッサーシュミットMe410
メッサーシュミットMe410ホーニッセ(すずめ蜂)は、前作で失敗作であったMe210か
ら開発されたドイツの重戦闘機兼電撃爆撃機で、1942年に初飛行し1945年に退役するま
で第二次大戦中ドイツ空軍で使用された。
前作Me210の計画は1939年から開始されていたが、試作機は空中安定が悪く、大量生産
に入ることは考えられなかった。そこでMe210CとD型で改修が試みられ、初期の型に比較
して大幅な改善が見られたので、Me210D型の改修型を新型のMe410として生産に入る
ことが決定された。新型は延長された胴体と前縁スラットを装備し、これらの装備はMe210
で試験され、画期的に性能が向上することが確認されていた。
Me210とMe410の違いは、より大きく出力の大きいダイムラーベンツDB603Aへの
換装で、このエンジンは1750馬力を出し、Me210CのダイムラーベンツDB605の1
475馬力に対し、エンジンの性能向上はMe410の最大速度を625Kmとし、巡航速度は
579Kmとなり、上昇力、実用上昇限度ともに大幅に向上させた。
武装は機首下の爆弾倉に、より多種の武装を搭載できるという点では改善され、より大きなエン
ジンは改修による重量増加を補ってあまりあった。
Me410は当初の電撃爆撃機構想とは別に、2基の20mm機関砲を機首下の武器倉に装備し、
アメリカ空軍の昼間爆撃に対しても使用され、中には50mm砲を装備した型もあり、爆撃機の
編隊を崩すために翼下に4基の21cmロケットを装備した機体も多数あった。
1944年の夏になると、Me410はヒトラーお好みである電撃爆撃機としては限界となって
帝国防衛の任務から外されて生産は終了し、その後は連絡業務のみに使用された。
1944年の夏に生産は終了し、その生産数は1.200機に達した。
写真の機体はイギリス、コスフォードのロイヤル・エアフォース・ミュージアム(英国空軍博
物館)の展示機。
諸元一般 乗員 2名 (主および副操縦士)
全長 12.56m
翼幅 16.34m
最大離陸重量 11.244Kg
エンジン ダイムラーベンツDB603A
液冷 V型 12気筒 × 2
性能 最大速度 624km
航続距離 2.300Km
実用上昇限度 10.000m
武装 爆弾 1.000Kg
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