モラン・ソルニエーMS406
モランソルニエーMS406は1935年8月8日にMS405として初飛行したフランスの戦
闘機の発展型で、モランソルニエー社により1938年から製作が開始された。
1938年に就役し、数の上では第二次大戦開始時の最も重要な戦闘機だったが、同世代のメッ
サーシュミット109Eに比較して、低出力、弱武装で、防弾装備も劣っており、1940年の
フランスの戦いでは、183機の撃墜に対し、387機が空中や地上で失われた。
1934年にフランス空軍の航空技術局は単座、単葉、引込脚の全く新しい機体の試作要求書を
発行し、この要求に対するモランソルニエーの回答はMS405で、羽布張りの後部胴体と、合
板に薄いジュラルミンの板を接着した木製構造を持つ機体は、新型のイスパノスイザHS12Y
−grsを装備し、1935年の8月8日に初飛行した。
その後、重量軽減のために翼の構造を変え、引込式のラジエターを胴体下に装備し、エンジンは
HS12Y−31、860馬力エンジンとした機体の速度はMS405よりも8km早くなり、
これらの改修を施したMS405が正式にMS406となった。
武装はプロペラ軸を通して発射する20mmイスパノスイザ機関砲と、両翼の7.5mm機銃
だった。
1930年代の後半にはドイツとの戦争勃発は明らかとなり、フランス空軍は1938年に
1.000機の生産発注をしたが、モランソルニエー社は自身の工場だけでは生産に応じきれず、
ナザーレの国営SNCAO社にも生産を移した。
生産は1938年の後半に開始され、最初の機体は1939年の1月29日に飛行した。
MS406の生産は1940年3月に終了し、総生産数は最初の発注数1000機と外国向けの
77機だった。
写真の機体はフランス、パリ郊外のル・ブルジェー航空博物館展示機。
諸元一般
乗員 1名
全長 8.17m
翼幅 10.62m
全備重量 2.426kg
エンジン ヒスパノスイザ12Y31
液冷V型12気筒 860馬力
性能 最大速度 486km
航続距離 1000km
武装 20mm機関砲 × 1
7.5mm機銃 × 2
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