ウエストランド・ライサンダー


  ウエストランド・ライサンダー
ウエストランド・ライサンダーはイギリス陸軍の直協機兼連絡機で、1934年に航空省が出した
ホーカー・ヘクターの代替機として仕様A39/34を出し、それに応えたホーカー社の設計者ダ
ヴェンポートとペターは視界、低速時の操縦特性、短距離離着陸等の要望に応じた設計を行った。
原型は1936年6月15日に初飛行し、イギリスの陸軍直協機に付けられる軍人指導者の名前と
して、歴史上有名なスパルタのライサンダー名前が付けられた。 
完成した機体は通常とは異なり、外観も初飛行が1936年の6月15日としても古風なものだっ
たが、その外観に係わらず、ライサンダーは空力的には進歩した設計で、自動式スラット、スロッ
テッドフラップ、可変式水平尾翼等を装備しており、これらの装備は104Kmの失速速度を可能
にした。
ライサンダーはブリストル・マーキュリー、空冷星型エンジンを装備し、高翼で、大きな流線型の
スパッツ付き通常型固定脚を持ち、スパッツには小さな取り外しが出来る小翼をつけ、そこには軽
爆弾や補給用のコンテナーを取り付け可能だった
航空省は1936年の9月に生産発注を行ない、最初のライサンダーは1938年6月に就役し、
弾着観測や連絡機として使用され、イギリス本土では海峡に墜落した空軍クルーのためにディン
ギーの投下任務に従事し、1940−1941年には14の飛行中隊がこの任務についていた。
総生産数は1.786機
1941年の8月に、フランスのレジスタンスとの隠密連絡のために、新しい第138特別任務中
隊が編成され、地図とコンパス以外の如何なる航法装備を使用せずに、ライサンダーは類まれな短
距離離着陸性能を生かし、4〜5個の松明で示された空き地などの狭い場所に着陸し、通常はただ
一人の乗客を後席にのせたが、緊急時には窮屈なのを覚悟で2名が搭乗した。そのような任務は1
944年のフランスの解放まで続けられた。 
写真の機体は、イギリスのダックスフォード、ヘンドン、シャトルワースで撮影されたもの。
      諸元一般
        乗員      1名
        搭乗者     1名
        全長      9.29m
        翼幅      15.24m
        最大離陸重量  2.866Kg
        エンジン     ブリストル・マーキュリー、空冷星型870馬力
        性能       最大速度 341Km, 航続距離 966Km
        武装        7.7mmブローニング固定機銃 × 2(脚カバーの中)
                ルイス7.7mm旋回機銃 × 1
                爆弾        9Kg × 4 胴体下
                                227Kg 小翼下
             
         
      
戻る   目次へ戻る   ホームへ戻る

戻る   目次へ戻る   ホームへ戻る