キー100・5式戦闘機
キー100・5式戦闘機の基本となったキー61飛燕は、日本の最良の戦闘機の一つで、ダイム
ラーベンツDB601のライセンス生産型である液冷エンジン装備し、防弾装備と自動防漏タン
クを備え、航続距離と空戦性能の良好さを保ちながら、速度と上昇力に優れていたが、エンジン
の信頼性不足に悩まされ、より性能の良い新型機の開発が急がれ、新しい1500馬力のハー1
40を搭載したキー61U型が開発されたが、エンジン製作がはかどらず計画は遅延した。
その間B−29の爆撃により、エンジン工場が被爆したために、280機ほどのエンジン無しの
キー61の機体が残されたため、これらの機体に三菱のハ112を装備することが指令された。
初飛行は1945年2月1日に行われ、冷却器がないために329Kgも軽くなった機体は、離
着陸性能や空戦性能、とりわけ旋回性能が向上した。
実戦には1945年の3月に投入され、水平飛行では遅かったが、キー100はP−51ムスタ
ングを降下で追従できた。
性能に満足した陸軍航空本部は、直ちに5式戦として生産に入るように命令し、量産に入った。
総生産数は395機。
写真はイギリス・コスフォードのRAFミュージアムに現存する機体。
諸元一般
乗員 1名
全長 8.82m
翼幅 10.48m
全備重量 3.495Kg
エンジン 三菱 ハー112 U型
空冷星型 1500馬力
性能 最大速度 580Km
航続距離 2.200Km
最大降下速度 850Km
武装 2×20mm ホー5 機関砲
2×12.7mm 機銃
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