Ju−87スツーカ
Ju−87スツーカはドイツの地上攻撃機、というよりは急降下爆撃機として有名で、その名前スツーカは
ドイツ語のSturzkampfflugzeug(直訳すれば降下軍用機か?)を短縮したStukaから来ている。
スツーカはユンカース社のヘルマン・ポルマンによって設計された。1935年に初飛行し、1936年に
ドイツのコンドル部隊の装備機としてスペイン内戦時に参戦し、その威力を試す機会を得た。
Ju−87はその逆ガル翼と、スパッツ付きの脚、それにジェリコのラッパと呼ばれた急降下時のサイレン
音で容易に識別され、1939年から1942年に亘りドイツ電撃戦勝利のシンボルとして喧伝された。
Ju−87の設計は、パイロットが急降下からの引き起こし時の大きな荷重でブラックアウトした場合でも、
急降下から回復すると両翼の下のダイブブレーキが自動的に引き込む機構を含むなどの、いくつかの革新的
な機能が含まれていた。
スツーカは頑丈で、ほとんど垂直に近い急降下によるピンポイント爆撃により爆撃精度も高く、効果的な兵器
だったが、運動性、速度に劣るため近代的な戦闘機には脆弱で、貧弱な武装はその行動に戦闘機の十分な援護
を必要とし、戦史に残るバトル・オブ・ブリテンでは、スツーカは、早々に敗退した。
その後は、バルカン半島作戦、アフリカ方面、地中海、東部戦線の初期段階においては連合軍の戦闘機はドイ
ツ軍の数量には抗しきれず、地上攻撃機としてさらなる成功を収めたが、一度ドイツ空軍が制空権を失うとそ
の活躍の場は失われた。
しかしながら、Ju−87の後継機が出現しなかったために、スツーカの生産は1944年まで生産が続けら
れ、すべてのバージョンのJu−87は5752機生産された。
資料写真はイギリス、ロンドン郊外のRAFヘンドン博物館に展示されている後期モデルのG型。
諸元一般(Ju−87 B−2)
乗員 2名
全長 11.0m
全幅 13.8m
最大離陸重量 5.0トン
武装 7.92mm固定機銃 × 2、
7.92mm旋回機銃 × 1
爆弾 胴体 550Kg、 翼下 2 × 50Kg
|