ホーカー・ハインド
ホーカー・ハインドはホーカー社で生産された大戦間の英国空軍の軽爆撃機で、1931年に出現し、
当時戦闘機よりも早い爆撃機として喧伝されたホーカー・ハート昼間爆撃機を基礎に開発された。
ちなみに傑作ホーカー・ハートはその後に続く一連のオーダックス、デモン、ハインド、ハーディー、
ヘクターなどのホーカーの複葉機シリーズの原点となっている。
設計はサーの称号を持つシドニーカム卿で、基本となる機体構造はスティールとジュラルミン、翼は羽
布張りで、初期のホーカー・ハートと比較しての主たる相違は、そのエンジン(ロールスロイス・ケス
トレル)と前作ホーカー・デモンで採用された後方席付近の形状だった。
試作機は速やかに製作され、1934年の9月12日に初飛行し、排気管、フェアリー・リード金属製
プロペラの装着、エンジンの改善等の改修が行われたのちに最初の生産型が1935年の9月4日に飛
行した。
1935年の11月にハインドは20の飛行隊に就役し、アフガン、アイルランド、ラトビア、ペルシャ、
イラン、ポルトガル、南アフリカ、スイス、ユーゴスラビアなどの国へも輸出されたが、1937年には
ハインドはフェアリー・バトル、ブリストル・ブレニム と交代し、第一線から退役した。
その後、予備の航空隊で戦闘機としてや海上パトロール任務につき、第二次大戦の勃発時にも第613飛
行隊は陸軍との協同のために1939年にホーカー・ヘクターに交代するまでハインドを使用した。
1938年にハインドはタイガーモスに続く中間飛行訓練に使用され、カナダ、ニュージーランドでも
練習機として使用された。
生産は1935年〜1938年まで行われ、総生産数は528機で、1957年にアフガニスタンで
退役するまで使用された。
資料写真はイギリス、シャトルワース・コレクションのK5414機、およびヘンドンの英国空軍博物館
に展示されているホーカーハインド。提示図面はホーカーハート。
諸元一般
乗員 2名
全長 8.92m
全幅 11.36m
最大離陸重量 2.167トン
エンジン ロールスロイス ケストレル 水冷V型12気筒 640馬力
性能 最大速度 161Km
実用上昇限度 8.050m
武装 前方固定 ヴィッカース7.7mm機銃 × 1
7.7mm 旋回機銃 × 1
爆弾 最大231Kg
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