グロスター・グラディエーター
グロスター・グラディエーターはグロスター社の前作ゴウントレットの発展型として空軍仕様
F7/30に基づいて自主試作したイギリス空軍最後の複葉戦闘機。
1933年にグロスター社のフォーランド技師によって設計され、ブリストルマーキュリー空冷
エンジンに2翅の固定ピッチ・プロペラーを駆動し、最初の密閉式操縦席や片持式の着陸脚を備
えるなど、単葉機のための新しい設計を盛り込んでいた。最高速度は約414Kmを出し、出現
した当時から新世代の戦闘機であるハリケーンやスピットファイア、それにメッサーシュミット
109等に影響を与えていた。
初飛行は1934年の9月に行われ、最初の型MkTは1936年の7月に引渡しが開始され、
1937年の1月に就役した。異なる形式のエンジンと、3翅の金属プロペラを装備したMkU
がこれに続いた。
MkUの改修型であるシー・グラディエーターは、拘束フック、カタパルト取付部、強化された
胴体フレーム、胴体下に救命ディンギーを収納した整形部を備え、98機が発注され、54機は
1939年9月に第二次大戦が勃発した時点でも使用されていた。
総計747機のグラディエーターが生産され、ベルギー、中国をはじめ10数カ国に輸出された。
第二次大戦が始まると、フィンランドでの対ロシア戦ではそれ相応の働きをしたが、その後ドイ
ツの戦闘機などの強力な相手と対峙することとなり、その長所を生かして活躍はしたが、性能的
には過去のものとなり、順次ハリケーンやスピットファイアと交替した。
海軍の空母からの運用は低速のゆえに成功を収め、対峙するイタリアの近代的な戦闘機に対峙す
る機会が少ないこともあり大いに活躍した。
有名なマルタ島の攻防戦ではフェイス、ホープ、ハルファノと名付けられた三機のグロスター・
グラディエーターが活躍したことが有名な逸話となっている。
諸元一般
乗員 1名
全長 8.4m
積載時重量 2.205kg
エンジン ブリストルマーキュリー\
空冷星型850馬力
性能 最大速度 414Km
航続距離 710Km
武装 .303 ブローニング機銃 × 4
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