フォッケウルフ190


  フォッケウルフ190
フォッケウルフ190はクルト・タンクにより1930年代に設計された単座、単発のドイツ戦闘
機で、1939年6月1日に初飛行し、1941年からメッサーシュミット109に一部入れ替わ
り、生産は1941年からから終戦まで改良をしながら続けられ、6.000機の戦闘爆撃機を含
み20.000機以上が生産され、制空戦闘機、攻撃機、地上攻撃機、護衛戦闘機、夜間戦闘機と
して使用された。
1937年の秋にドイツ空軍省は、次期新型戦闘機の設計を示唆し、クルト・タンクは液冷エンジ
ンを装備したいくつかの設計を提案したが、最終的にドイツ空軍省は空冷星型エンジンのBMW1
39を使用した案に興味を示した。タンクは、大きなカウリングの先に小さな空気導入穴を設けた
スピンナーを使用し、流線形のエンジンカウルを装備することで空気抵抗減少への自信があった。
他の革新的な面は従来の油圧方式に代わり電気作動の大幅な使用で、電動式の主脚、フラップ、可
変取り付け角の水平尾翼、固定武装の装填、発射などは電動作動式だった。最初の試作機フォッケ
ウルフ190V1はBMW139、14気筒を装備して1939年6月1日に飛行した。比較的小
型(翼幅9.5m)の機体だったが、操縦性は良好で、視界も良く、速度は610Km、ロール率
は162°/410Kmで、失速速度は205Kmだった。
飛行テストでこの機の特徴あるスピンナーが不適切であることが分かり、一般的なスピンナーに変
えられ、カウリング内に10枚の冷却ファンがつけられた。
この形式でV1は1939年の12月1日に初飛行し、続いてV2以降の試作機が飛行したが、こ
れと平行してBMWは新しい14気筒の2重星型エンジン、のちにBMW801となるエンジンの
テストをおこなっており、1940年の春に初飛行した試作機V5は、最初の新型エンジン装備の
機体となり、重量増加に対応し、胴体をやや延長、より大きな翼に換装され、翼幅は10.50m
となった。
特筆すべき特徴として、フォッケウルフ190には、エンジンの回転数、混合気、点火時期、過給
器の切替、それにブースト圧を自動的に調整するコマンドゲラートシステムが装備されており、空
戦中のパイロットの負担を大幅に減らしていた。
フォッケウルフ190は、高度20.000フィート前後では卓越した性能を持っていた。西部戦
線での戦闘は20.000フィート以上で行われたので高々度での性能低下は問題となったが、東
部戦線におけるソ連軍に対しては問題とならなかった。
写真の機体はイギリス、ロンドンの帝国戦争博物館に展示されているフォッケウルフ190F−8。 
 
   諸元一般  フォッケウルフ190−A8
         乗員      1名
         全長      9.00m
         翼幅      10.51m
         最大離陸重量  4.900Kg
         エンジン    BMW801D−2空冷星型14気筒 
                    2.000馬力(ブースト付)
                    1.730馬力(ブースト無し)
         性能      最大速度   656Km
                 航続距離   800Km
         武装      13mm機銃  × 2
                 20mm機関砲 × 4


      
戻る   目次へ戻る   ホームへ戻る

戻る   目次へ戻る   ホームへ戻る