グラマンJ2F・ダック

      

   グラマンJ2F・ダック
グラマンJ2Fダックはアメリカの水陸両用複葉機で、原型のグラマンG−15は,初期のJF
ダックの改良発展型で、アメリカ海軍からJ2Fダックとして発注され、ライトR−1820サ
イクロン750馬力エンジンを装備して、1936年の4月2日に初飛行し、同日にアメリカ海
軍に納入された。 
1939年内に、高官用の豪華な内装を施したJ2Fダック20機が製作され、1941年にな
ると、戦争への切迫感から、グラマンJ2Fダックの生産は、ニューヨークのコロンビア航空機
に移され、そこで330機が生産された。
グラマンJ2Fダックは単胴の複葉機で、大きな張殻式の主フロートは引き込み式の主輪を格納
しており、下翼の下面には翼端フロートが装備されていた。
主フロートは胴体と一体化され、フロートをつけた通常の陸上機であるにもかかわらず、まるで
飛行艇のように見える。この構成配置はローニング社の機体と類似しているが、グラマン社はロ
ーニング式構成の胴体、フロートと降着装置の使用権を獲得していた。
J2Fの着陸脚は、F4Fワイルドキャツトと同様に幅の狭い手動引込操作式だった。
2〜3名の乗員は前後式コックピットに搭乗し、胴体には客室があり、2名の乗客もしくは担架
用のスペースとして使用された。
J2Fダックは、主としてアメリカ海軍と沿岸警備隊で使用され、さらに一部のグラマンJ2F
ダックは、アメリカ空軍の空海救難作戦にOA−12として使用された。
総生産数は564機。  
コロンビア航空機で製作された型はJ2F−6と呼ばれ、より長いエンジンカウリング内に10
50馬力のR−1820−64エンジンを装備していた。
写真の機体はアメリカ、ウイスコンシン州のオシュコシュ・エアヴェンチャー博物館に展示され
ているJ2F−6。本来は長いエンジンカウリングが特徴のJ2F−6だが、旧型の短いカウル
を装備している。 

           諸元一般
         乗員   2名(パイロット、偵察員)
         乗客   2名(救出された搭乗員2名)
         全長    10.37m
          翼幅    11.9m
         全備重量  3.496Kg 
         エンジン  ライトR−1820−54 
                              空冷星形9気筒 900馬力
                  性能
               最大速度   304Km
               巡航速度   248Km
               航続距離   1.255km
         武装    7.62mm ブローニング旋回機銃×1
               295Kg 爆弾 または 機雷

      
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