デボアチン・D520


  デボアチンD520
デボアチンD520は、第二次大戦勃発直後の1940年初期に就役したフランスの戦闘機で、
大量に配備されたモランソルニエー406とは異なり、メッサーシュミット109に対抗できる
機体だったが、生産の遅れによりほんの少数がドイツ空軍に対抗するに留まった。
デボアチンD520の設計はSNCASE(フランス国営南東航空機)のエミール・デボアチ
ン技師の手により、新しい設計思想とエンジンを使用し、時速520Kmを目指す高性能の機体
をめざして1936年の11月に開始された。 
原型はイスパノスイザ12Yを装備して1938年の10月2日に初飛行したが、この機体は両
翼下に装備された冷却器の抵抗が過大と考えられたため、冷却器は胴体に移され、尾部の橇は車
輪に変えられ、可変ピッチプロペラの装備により設計目標速度に達した。
当初200機が発注されたが、追加で510機が発注され、更に戦争の勃発により発注は2.2
50機となった。
最初の生産型デボアチンD520は、プロペラ軸発射の20mmキャノンと主翼に4基の7.5
mm機銃を装備して11月に飛行した。実施部隊には1940年1月に就役し、戦闘に参加した。  
実戦ではメッサーシュミット109E3は、デボアチンD520より速度が早かったが、デボア
チンD520はそのすぐれた運動性でメッサーシュミットを凌駕し、6月末の休戦時までに、5
4機の損失に対し、108機の撃墜と39機の撃墜不確実が報告されている。
休戦までに351機が引き渡されたが、6月の半ばに大勢が決まった時点で、多くの機体がアル
ジェリア、イギリスに逃避し、153機がフランス本国に留まった。
     諸元一般
        乗員      1名
        全長      8.6m
        翼幅      10.2m
        最大離陸重量  2.780Kg
        性能      最大速度   535Km
                航続距離   1.250Km
        武装   イスパノスイザ 404 20mm キャノン × 1
             MAC1934 7.5mm機銃 × 4


      
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