フォッカーD7
フォッカーD7は、第一次大戦のドイツの戦闘機で、フォッカー航空機会社の技師ラインホルト・
プラッツよって設計された。
プラッツは1916年以来ヒューゴー・ユンカースの片持式厚翼構造が従来型の薄翼より大きな揚
力と良好な失速特性をもつことに着目して設計に取り入れたVシリーズと呼ばれたいくつかの試作
機を設計した。
1918年の初頭にドイツ軍は新型戦闘機の競争試作を行い、フォッカーはこの競作に1917年
後半に試作したV11で応じたが、フォン・リヒトホーフェンが試乗したところ、急降下中の方向安
定が悪かったため、フォッカーは後部胴体を延長し、ラダーの前に三角形の安定板を追加するなどの
改修をしてそれらの欠点を直した。
この機体は優れた性能を発揮したので、1918年1月に採用され、暫定的に400機の注文を受け、
この機体は標準のメルセデスDVaを使用し、フォッカーD7と命名された。
フォッカーの工場はこの注文に応じ切れなかったために、アルバトロス社とAEG社がライセンス契
約のもとに製造することを求められた。
アルバトロス航空機製作所とその関連会社OAW(東ドイツ、アルバトロス工場)の機体は夫々フ
ォッカーD7(Alb)、フォッカーD7(OAW)と呼ばれている。
フォッカーD7のエンジンは、後に200馬力のメルセデスDVauに変更された。
他に少数のD7は185馬力のBMWVaを装備しD7(F)と呼ばれ、パイロットには好評だった
がBMWエンジンの生産は限られており、以後の生産型は戦争終結までメルセデスDVau装備のD
7が生産され、1918年の夏から秋にかけて約1700機のフォッカーD7が生産された。
諸元一般
乗員 1名
全長 6.93m
全幅 8.93m
最大離陸重量 878Kg
エンジン メルセデスDVa 180馬力
メルセデスDVau 200馬力
BMWVa 185馬力
性能 最大速度 186Km
武装 2×7.92mm シュパンダウ機銃
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